ALL YEAR AROUND FALLING IN LOVE
10.仲秋
愚かな振舞いを謗られても仕方ないのに、告げられた言葉は思いがけないものだった。
僕の手に包帯を巻く三蔵は不機嫌そうに見えるけれど、その手つきには優しさが溢れている。
少しわかりにくいけれど、とても優しい人なのだ。
僕ははっきりと思い出していた。
あの夜我を失って自分を傷つけた僕は、この人に自らすがったことを。
彼女を救えず、一人生きることを選んだ罪悪感から逃れるために、この人の優しさを利用したことを。
三蔵を責められるはずがない。この人はただ、僕を宥めるために受け入れてくれただけだ。
それなのに、僕ときたらこの人を傷つけたことも何もかも忘れて、悟浄の元に行った。
今まで三蔵はどんな思いで過ごしていたんだろう。
こんな自分を許せるはずがない。
よりによって悟浄の大切な人に、僕はなんていうことを。
「僕はあなたに迷惑ばかりかけていますね」
「今更何を言うか」
三蔵は僕の包帯に目を落としながら、低く笑った。
それはまるで彼自身を笑うみたいに―
今、僕がしなければいけないことは一つしかない。
「迷惑ついでにお願いがあります、三蔵」
早く。一刻も早く。
あの家を出なければ。